フランツ・ローゼンツヴァイクによるユダヤ教とキリスト教の再認識
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は、「アウシュヴィッツ以後」の現代において、ユダヤ教とキリスト教をどのように捉え直すのかということを、フランツ・ローゼンツヴァイクの思想を通して検討することにある。キリスト教への改宗の一歩手前でユダヤ教に回帰したローゼンツヴァイクは、ユダヤ教の特異性を再発見し、同時にキリスト教も承認する道を探る。彼にとってユダヤ教とキリスト教とは、同じ「永遠」に基礎を置きながらも、互いに「相補性」と「排他性」を持ち、「救済」を待ち望む二つの型として理解されていた。レヴィナスは、「真理のメシア的認識論」という見地からローゼンツヴァイクの両宗教理解を評価し、「アウシュヴィッツ以後」の現代においても現実性を持っていると主張した。
- 同志社大学の論文