ヨシュア記24章と祭司の「神聖学派」
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概要
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ヨシュア記24章は、イスラエルとその神の間に結ばれた契約についての旧約聖書伝承の、一つの段階を提示している。シケムでの会合が政治的、かつ祭儀的な内容の古い伝承をも反映していることは広く認められており、形成と編集のなされた時代は複数提唱されている。 本論文はヨシュア記24章が、祭司文書Hに属する祭司集団「神聖学派」(その主な資料はレビ記 17-26章)による作品であることを提示する。その論拠は契約の根底に法的言語を用いながらYHWHの神聖さが表されていることである。H特有である他の言語的特徴もこの議論を支持している。またこれらの論拠から、ヨシュア記24章の起源が捕囚期前にあることを提示する。