ヨハネ福音書におけるεγω ειμιについて
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概要
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ヨハネ福音書8 章24 節、28 節、58 節、13 章19 節の「エゴー・エイミ」の訳語と引照に関しては、出エジプト記3 章14 節を用いるものと、イザヤ書43 章10 節を用いるものに大別される。本論文では、近年の研究論文とキーワードτυφλοζ(tuflos)の分析により、全ての箇所に第二イザヤからの影響が強いことを明らかにするが、58 節のみ「存在」の意味に解釈して、出エジプト記とも結び付ける可能性が残ることを示す。さらに58 節に含まれる「子の先在」の概念が、ヨハネ福音書に前後する文献にも見られることを確認し、第二イザヤとヨハネ福音書に共通する歴史的背景を考察して、新たな神的権威の実在化の過程が、「エゴー・エイミ」の思想的背景として、存在したことを明らかにする。