五四期における吉野作造と李大[しょう]・北京大学学生訪日団 : その交流運動の思想的基盤について (西田毅教授古稀記念論集)
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概要
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五四運動期に、反軍閥反官僚の日中民主主義運動の提携こそ、両国の親善と東洋の平和を実現する道であるという吉野作造の唱道のもとに、黎明会・新人会と李大?をはじめとする中国の新知識人との間に知的・人的交流がすすめられていた。しかし、なぜこの五四期の交流運動が北京大学学生団の訪日をピークに一年間に過ぎず、短命に終ったのか。本論では、吉野が連帯を呼びかけた李大?とその周辺の新青年の同時代的思想考察を射程に入れて、この交流運動が可能になった思想状況及び短期間に中絶していた原因について思想史的分析を試みる。大戦後の「世界の大勢」に対する認識をめぐって、日中両方の当事者に大きな思想的距離があったことを明らかにし、中日知識人による大戦後のこの交流運動の歴史的意義を再検討してみたい。
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