グラフィックデザインの変容と大学生涯学習プログラムへの応用に関する研究:その1 : 高等教育機関におけるカリキュラムの特質と今日的課題
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概要
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本稿の前半では,19世紀末以降の西洋美術史を踏まえつつ,グラフィックデザインの発祥とその変容過程について素描した。また,後半では,グラフィックデザイン教育の在り方やカリキュラムの特質,並びにそこにおける諸課題について,高等教育機関を事例として要説し,その上で,大学生涯学習の場面におけるカリキュラムの課題について検討した。グラフィックデザインは,現在,WEBデザインと急速に合流・融合しつつある。従って,カリキュラム内容には,多様なアプリケーションの学習が要請されるが,単に実用的な諸能力に関わる内容のみならず,歴史や理論的諸問題に対する知識が重要となる。また,職業人としての人間性や,その基盤を形づくる規範意識や価値観等の啓培も必要である。筆者らは,最終目標として,グラフィックデザインを大学生涯学習の場面に導入するための実践的なカリキュラムの開発を念頭においている。本稿では,その理論的枠組みを仮説的に提示した。一般に,生涯学習の課題の一つは,学習者におけるレベルやニーズの多様性に対する対応にある。大学生涯学習,その典型的形態である公開講座におけるカリキュラムは,その構造において,多様性と柔軟性を内包することが不可欠である。これらを前提にして,次の課題,すなわち実践性に富むカリキュラムの開発に歩を進めたい。
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