ビカサン・ピリピノー英語辞典とフィリピノ語事典の語彙にみられる家父長制と性差別主義
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概要
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本論文は,フィリピン語に関する二つの主要な文献-ビト・C.サントス(Vito C. Santos)のビカサン・ピリピノ語-英語辞典(Vicassan Pilipino-English Dictionary)とフィリピノ語辞典(Diksyunaryo ng Wikang Filipino)-に見られる単語の定義を分析したものである。この二つの辞書がフィリピンの男性中心社会・文化を映したものであるという点に主に焦点を当てる。なぜなら,辞書というものが言葉の指示的意味と内包的意味を知るために主要な文献として使われるため,辞書が含む意味の偏りはいかなるものであっても辞書の使い手のモノの見方に影響を与えうると考えるからである。そうして,辞書とは男性中心であるということを映す鏡であるだけでなく,実際はそれを不変のものとしている。本論文は,分析を基に,非性差別主義的なフィリピノ語の使用についても取り上げていく。