蔟出(sprouting/budding)の大腸sm癌リンパ節転移危険因子としての意義に関する免疫組織学的検討
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概要
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大腸sm癌発育先進部の蔟出(sprouting/budding)のリンパ節転移危険因子としての意義については,研究者によって意見の一致がえられていない.このことは,通常のHE染色標本のみでは,蔟出,脈管侵襲,リンパ節転移の同定精度が必ずしも高くないことに起因している.本研究は,リンパ節郭清がなされた外科切除大腸sm癌88例を対象として,上皮性サイトケラチンCAM5.2免疫染色で蔟出を,同免疫染色およびHE標本でリンパ節転移を,Victoria blue弾性線維染色で静脈侵襲を,リンパ管内皮細胞マーカーD2-40免疫染色でリンパ管侵襲を,検索し,病変ごとの蔟出平均個数・最大個数と,脈管侵襲,リンパ節転移との相関を検討した.リンパ管侵襲陽性例とリンパ節転移陽性例は,それぞれの陰性例に比べ,蔟出平均個数,最大個数ともに有意に高値であった.また,最大個数として11個以上の蔟出を認める症例はそれ未満に比べ,リンパ節転移陽性率が有意に高かった.これらのことから,大腸sm癌の蔟出は,リンパ節転移危険因子としての意義があり,EMR大腸sm癌の追加腸切除考慮条件のひとつになりうる可能性が示唆された.
- 新潟大学の論文
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