転写共役因子Peroxisome proliferator-activated receptor γ coactivator-1 (PGC-1α)の新規アイソフォームの同定
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概要
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マウスゲノム情報の解析からperoxisome proliferator-activated receptor γ coactivator-1α (PGC-1α)の新規アイソフォームを同定した。この新規アイソフォームのmRNAのアミノ酸コード領域は,既報のPGC-1αmRNAの5'端の16アミノ酸分の塩基配列が,これとは異なった12アミノ酸分の配列に置換されており,既報の第1エクソンの上流に存在する新規エクソンからの転写開始によって生じるスプライシングバリアントと考えられた。新規アイソフォームは骨格筋および心筋に特異的に強発現していた。アデノウイルスベクターを用いてC2C12培養筋筒細胞に本アイソフォームを強制発現させると,ミトコンドリア関連遺伝子の発現が増加し組織学的検討でもミトコンドリアの増加を認めた。また,リポーターアッセイにより,転写因子Nuclear respiratory factor-1の転写活性を増強させる作用を持つことが明らかとなった。PGC-1αの新規アイソフォームは,骨格筋のエネルギー代謝変化の制御に関わる可能性が示唆された。