ソーマ祭の動物供犠における殺生行為と解釈について(平川彰名誉教授追悼号)
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概要
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ヴェーダ祭式における犠牲獣の殺生に関する記述は、文献によって微妙に異なっているが、ブラーフマナ文献の時代になるとたとえ祭式の為の殺生といえども、必ずしも肯定的には捕えられておらず、殺生に関する直接的な表現を避ける傾向にあるとされている。しかし、以前アグニチャヤナにおける動物供犠について、黒ヤジュルヴェーダの諸Samhitaと白ヤジュルヴェーダSatapatha Brahmanaを比較検討した際に、意外にも後者の方が前者に比べて動物を殺生する行為の描写が露骨であり、それは解釈に関係していると結論するに到った。ところで、動物供犠と言えば独立した祭式として、毎年雨季に挙行されるNirudhapasubahdhaがあるが、そのモデルとなっているのがソーマ祭に行われる動物供犠であり、上記の諸SamhitaとSBにその記述を求めることができる。本論では、前半で再度アグニチャヤナの動物供犠を取り上げ、先に述べた結論に関して詳しく論拠を挙げる。そして後半ではソーマ祭の動物供犠における殺生行為と解釈について検証し、最後に2っの動物供犠を比較検討する。
- 国際仏教学大学院大学の論文
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