発展途上国における競争力向上支援のアプローチについての一考察 : 世銀とUSAIDの活動の例から
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概要
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ここ数年,発展途上国において競争力を向上させるプロジェクトがドナー支援によって行われているが,「競争力」の定義にはさまざまな解釈があり,ドナー支援のあり方についてもさまざまな形がある。特に,世界経済フォーラムが毎年発行する「国際競争力指数(GCI)レポートであげられているような競争力の構成要因を強化するような支援が多い。本論文では,世界銀行と米国国際開発庁(USAID)の途上国におけるそれぞれの競争力向上支援プロジェクトに焦点を当て,アプローチ手法と指標をとりまとめ比較しながら,競争力向上におけるドナー支援の理想的な投入の方向性について一つの考え方を提示した。ミクロレベルでの競争力の向上を図るには,クラスター開発を利用したアプローチが効果的であろうが,マクロレベルで競争を促進するビジネス環境にないと個々の企業やクラスターの競争性はあがっていかない。従って世銀アプローチとUSAIDアプローチ,両方のアプローチの長所をバランスよく投入していくことが効果的なのではないかと思料される。そして,途上国の発展段階によってその投入内容も変わっていくべきであり,両方のアプローチをどのようにバランスをとって投入していくべきか,GCIのモデルを使って提案する。
- 2007-12-05