カノニカル分子動力学における温度shiftの方法(修士論文(1988年度))
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概要
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カノニカル分子動力学法の1つである能勢の方法では、興味の対照となっている物理系の自由度に加え、その系とエネルギーをやり取りする"熱浴"の自由度(s,P_s)が、導入される。この熱浴変数sのべき乗s^kは、samplingを行なうtrajectory上において物理系に対し、exp(-β(k)H)/exp(-βH)と、同等の性質を持っている。このことからs^kをweightとして平均をとることにより、実際にsimulationを行っている温度β^<-1>とは異なった温度β(k)^<-1>における期待値を得ることができる。更に、べき係数kを無限小だけ変化させることにより、このshiftした温度β(k)^<-1>における温度微分量を与える関係式が得られる。定温定圧分子動力学法の場合に以上の関係式を拡張する事も容易である。これらの方法の有効性を確かめるために、我々は13-atom Lennerd-Jones clusterに関するsimulationを行った。
- 物性研究刊行会の論文
- 1989-06-20
著者
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