看護専門職の継続教育(第8回聖路加看護学会学術大会)
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概要
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本研究の目的は看護領域における"継続教育""専門職の継続教育"に関する文献を基に,『看護専門職の継続教育』という概念について明らかにすることである。分析の方法は,Rodgersのアプローチを参考にして,定義,特性,先行要件,帰結,関連概念について探索した。分析の結果,『看護専門職の継続教育』について次のことが明らかになった。特性は,1)目的や方向づけが明示されていること((1)ヘルスケアや社会への貢献,(2)看護専門職者としての発展),2)専門職としての継続教育の特性((1)看護専門職としての能力の改善と開発に自ら責任を持つこと,(2)個別化されたものであること;個々の動機づけ,個人に方向づけられた学習,個々のニーズ,(3)生涯学習であること),3)実施の範囲・領域((1)看護基礎教育または経験の上に積み上げられていく学習活動,(2)教育の範囲や領域の多様性,(3)義務化された継続教育と自発的な継続教育)であった。先行要件は,1)社会的,経済的,文化的,政策的文脈(財政危機,科学技術の進歩,ヘルスケアシステムの改革,ヘルスケアコスト削減,人口統計学的変化),2)継続教育の機会((1)財源に関すること,(2)利便性と有用性,(3)管理者からのサポート,(4)組織の環境)であった。帰結は,1)ヘルスケアの質の改善・質の向上,2)看護専門職者としての成長((1)新しい知識の獲得,態度・行動の変化,(2)個人の内的な変化;自信や自尊心の高まり,自律性の高まり,(3)専門職化すること),3)信頼の獲得,役割と権限の拡大,4)ネットワークの拡大,5)キャリアの拡大,であった。関連概念は,現任教育・院内教育,卒後教育,生涯教育,成人教育であった。さらに,分析結果から『看護専門職の継続教育』という概念の枠組みを提案した。
- 2003-06-23