Soliton及び類似物のあらわれる具体例の整理(総合報告)
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概要
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Solitonの歴史は古くさかのぼれる。1844年Scott-Russellは水面の局所的なもりあがりがきわめて安定に浅い水路を伝播する事実を報告した。しかし,このモードが非線形分散波動において基本的な役割を果すものとして重視され,ソリトンという粒子的名称が与えられたのはZabuskyとKruskalの数値計算(1965)によってである。それ以来, Solitonの問題は非線形波動現象の中心的課題の一つとして,集中的に研究されるようになった。多くの場合, Solitonは,非線形効果による波形の収縮と波の分散効果がバランスしあって,安定にたもたれている。それゆえ,Solitonは分散効果が期待できるような非線形波動においてみられる普編的な存在であると考えられる。じっさいに,水の波という限られた問題(Zabusky-Kruskalのとり扱いった方程式も,じつは水面波の漸近挙動と記述する一つの近似方程式である)だけでなく,広い範囲の非線形問題においてSolitonが存在することが確められる。この報告は, 1月29, 30日にわたって開かれた"非線形波動と素粒子"研究会における綜合報告を整理したものであって, Solitonをその成因に従って分類しその性質を簡単にまとめることを試みる。(分類にあたって用いた名称は便宜的なものであることを断っておく。)
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1976-06-20
著者
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