寺田透の徳田秋声観
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概要
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本論文で、寺田透(1915-1995)が徳田秋声(1871-1943)をどのように見たかということと、さらに、寺田の文学的な立場とを扱った。徳田の晩年の二作品(<仮装人物>と<縮図>)に、寺田は愛欲の濃さと悶えとを見、徳田を非知識人と規定した。寺田がこの徳田秋声論を発表した頃、彼自身、離婚と再婚とを体験した。寺田自身、生活の同伴者との関係に悩んだ。本論文は、寺田の徳田への共感と、寺田自身の個人的な生活との関係を扱った。さらに、文学作品の受容の問題を見た。