C_3・C_4植物の炭素・窒素代謝の相互関係に関する研究 : 1.光合成能,リブロース二リン酸カルボキシラーゼおよびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性におよぼす窒素栄養の影響
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概要
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光合成に与える窒素栄養の影響を明らかにするため,数種のC_3,C_4植物を窒素の濃度・化合形態を異にする水耕液で栽培し,みかけの光合成能(P_0),葉身の窒素含有率,リブロース二リン酸カルボキシラーゼ(RuBP Case)およびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEP Case)活性などを測定し,下記の結果を得た。(1)葉身窒素含有率とP_0間には高い正の相関関係が認められ,C_4植物ではC_3植物に比べてP_0が総じて著しく高く,葉身窒素含有率の上昇に伴うP_0上昇率も高かった。(2)C_4植物において,P_0の窒素反応性が高い原因は,(a)葉における可溶性タンパク質/全窒素含量比が高いこと,(b)葉身窒素含有率の上昇に伴うC_4光合成に関与する酵素活性の上昇が著しいことなどのためと推定される。(3)C_3植物およびC_4植物共,P_0はNO_3-N区,NH_4-N区間で大差なかった。C_3植物ではNH_4-N区に比べてNO_3-N区で光呼吸能が約30%低下し,同時に真の光合成能も低下した。
- 日本草地学会の論文
- 1983-04-28
著者
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久保 孝
Faculty Of Applied Biological Science Hiroshima University
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尾形 昭逸
Faculty of Applied Biological Science, Hiroshima University
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藤田 耕之輔
Faculty of Applied Biological Science, Hiroshima University
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河野 憲治
Faculty of Applied Biological Science, Hiroshima University