3.放射光X線を用いたAr二量体の構造解析(学習院大学大学院自然科学研究科,修士論文題目・アブストラクト(1985年度)その1)
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概要
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超音速分子線中で形成されるクラスターに関する研究は,既に,いろいろな手段でおこなわれており,クラスターの存在量や大きさについては,現在,いくつかの報告がなされている。しかし,X線を用いて,クラスターの構造解析をした例は,未だ,存在していない。本研究は,解析の対称をAr二量体とし,まず,超音速分子線法によりAr二量体を発生させ,検出し,その生成条件を調べた。ノズルから噴出する直前の圧力P_0を変化させることによって,膨張,冷却の程度を変化させることができ,それに伴ってクラスターの出来方も変ってくることがわかる。次にノズルシステムを備えたX線回折装置となる真空槽を製作し,この真空槽内で先に調べたAr二量体生成の最適条件を再現することにより,Ar二量体を効率よく生成し,X線を用いてAr二量体の構造解析を試みることにした。しかし,試料が,非常に希薄な気体であるために,X線回折においては,散乱強度が弱すぎ,そのために,とても強いX線源が必要である。そこで,X線源には,高エネルギー物理学研究所にあるシンクロトロン放射光を用いて測定を行った。
- 物性研究刊行会の論文
- 1986-07-20