12.Proton NMRを用いたa-Si:Hおよびa-Si_<1-x>C_x:Hの局所構造解析(北海道大学理学部物理学教室,修士論文題目・アブストラクト(1985年度)その1)
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概要
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a-Si:Hおよびa-Si_<1-x>C_x:Hの局所原子構造と欠陥についての情報はX線回折,ラマン散乱,赤外吸収,ERR,NMR等の測定から得られている。a-Si:H中のH濃度が増加するにつれSiボンドのポンド長およびボンド角のdeviationが減少し,ダングリングボンド濃度も減少している。これはa-Si:H中のH格子のstressを緩和し,ダングリングボンドを終端するためである。またa-SiC:HにおいてC濃度が増加するとともにH濃度が増加し,またダングリングボンド濃度も増加している。a-Si:HのNMRでは常に半値幅約30KHzの広い成分と半値幅約3KHzの狭い成分が観測される。この狭い成分をもたらすHはダングリングボンドを終端するする役割をはたしているのに対し,広い成分をもたらすHはそのような動きをしていない。またC濃度が増加することによるH濃度の増加は広い成分をもたらすH濃度の増加である。またa-Si:HのT_1は約30Kで最小値をとっており,これは試料中に小量とり込まれているo-H_2分子が緩和中心になっているためである。本研究ではグロー放電装置を用いて,一連のa-Si:H,a-Si_<1-x>C_x:H薄膜を作成しNMRを用いて試料作成装置の違いによる膜質の変化,SiとCの合金効果,光照射効果および圧力効果を測定した。
- 物性研究刊行会の論文
- 1986-07-20