「東南アジア現代史」からみた韓国
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概要
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一般に東南アジア諸地域の現代史において,それぞれの歴史的状況の積み重ねとその時代の歴史的「現状」に対する政治的関与の結果として,新たな「現状」が生まれていると云えよう。東南アジア地域における関わりの現代史的文脈を念頭において,東南アジア諸地域と韓国との関係の「一端」を見ていく。今や21世紀に至り東南アジア諸地域における政治と経済の自由化が一層進展し,韓国,中国,日本を含む「東アジァ地域圏」が模索されつつある。この状況下で東南アジア諸地域と韓国経済との関係が質量ともに一層拡大しつつある。それは両者間の貿易額と資本投資額の急激な拡大傾向にも見られる。両者間でのカネ,モノ,サービスの量的拡大は労使関係や政治的イメージなどの質的内容にも影響を与えていると考えられる。したがって東南アジア諸地域と韓国社会との現代史的な関係を吟味しその文脈から学んだ上で,質量共に「双方向による合理的関与」が求められていると云えよう。またそれこそが「東アジア地域圏」形成の一つの重要な条件となり,両者の「長期的利益」を確保することにつながってくると,筆者は考える。
- 茨城大学の論文