協働的関係性の視点から考察する「やる気」の意味
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概要
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IT技術の革新的発展による急速なグローバル化によって, 今, 国際社会において高いプレゼンスのある日本人の育成が求められている。中等教育課程における英語教育は, 英語のコミュニケーション能力を伸長する教育へ変換していかなければならない。このような社会の要請に対応するために, 筆者が所属する教育開発研究所では, コミュニケーション活動を通して生徒の主体的学びを促進する英語の授業の研究開発を行ってきた。全て英語で授業をする, 生徒中心の活動を行うという発想から授業設計をして実践したが, 従来型の訳読式, 教師主導型の授業に慣れている生徒には違和感が強く, また英語の世界で自分の居場所が見つけられず, 一見, 授業を放棄しているかのような生徒も少なくなかった。そこで, 本論は, 生徒に「やる気」が見られる時/見られない時, 一体何が起こっているのかを, 生徒とその周囲との関係性に視点をおいて分析し, 「やる気」はどのようなきっかけで起こるのかを考察した。分析は, ビデオ記録や生徒によるオンライン・アンケートの結果, 授業者・参与観察者によるオンライン観察日誌の記述などの授業記録に基づいており, ナラティブな記述にまとめている。