シニアの消費停滞要因についての一考察
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概要
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少子・高齢化社会の到来によって、シニア人口が急速に増加している。従来経済的な効果・効率の面からシニアは市場ターゲットとして軽視されてきたが、様々な資料からシニアは昔に比べ所得と金融資産が豊かで、自由時間も多く、体力・気力とも向上していることがわかった。近年の不況下、シニアの消費活性化が大きな課題となっているが、シニアの消費は依然停滞している。「将来に対する不安感」がその主たる理由であると見なされているが、実はそれ以上に消費行動と企業活動のギャップが大きい。企業のマーケティング活動は老化による「潜在的・顕在的な欲望」に適合できても、生きがいの追及というような「精神的な生活の豊かさ」には十分対応していなかったからである。シニアにとっての最大の課題は子供が独立したり、或いは仕事を離れた後の役割の喪失と生きがい探しにある。生きがいに結びつく消費価値の追求が新しい消費を生み出す。それは目的消費というより体験としての消費によって実現される。