主観的な刺激弁別難易度が事象関連電位P300に及ぼす影響
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概要
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本研究の目的は,事象関連電位(ERP) P300に対する主観的な刺激弁別難易度の影響を検討したものである。P300は, 7名の健康な平均年齢20.0±1.6歳の被験者を対象に視覚オドボール課題を用いて電極位置Fz, Cz, Pzから記録した。標的刺激はフットボール画像とバレーボール画像を用いた。P300振幅は主観的易刺激の方が主観的難刺激よりも大きかった。P300潜時は主観的易刺激の方が主観的難刺激よりも短かった。ネガティブ覚醒度は主観的難刺激の方が主観的易刺激よりも大きかった。以上の結果から,視覚刺激による事象関連電位P300の成分は,主観的な刺激弁別難易度の違いによって生じる感情要素に影響を受けることが示唆された。