企業従業員の健康度自己評価 : 心身症状および健康指標との関連
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概要
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この論文の目的は企業従業員に対する健康度自己評価の妥当性を検討することである。対象は男性企業従業員1508人であった。職場ストレッサーおよび性格特性5因子を統制した上で,健康度自己評価が身体症状や精神症状からどのように影響を受けるか調べた。これらの症状項目は,SDS, STAI,身体症状尺度および追加うつ項目より得られたものである。構造方程式モデル(SEM)は,うつ,易刺激性,不安・緊張,快適さ,身体症状の5つの潜在変数が症状(潜在変数)に関連し,この症状が健康度自己評価を説明するというモデルを支持した。これらの5つの潜在変数のうち,うつが最も健康度自己評価に影響していた。このうつはおもに追加うつ項目より構成されていた。SDS項目は重回帰分析では健康度自己評価に有意に関連することが示されたものの,SEMにおいては重要とされなかった。また,健康度自己評価はいくつかの健康指標に関連し,健康行動を予測させる可能性が示唆された。以上より,健康度自己評価は産業精神保健上有意義な変数であると考えられた。
著者
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