化粧による臨床心理学的効果に関する研究の動向
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概要
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本研究の目的は、「臨床心理学的に問題を有する人々に対する化粧の効果」に関する内外の研究を、心理学のみならず医学・看護学の領域も含めてレビューすることにある。本研究の結果、次の3点が明らかになった。(1)研究数の増加:過去10年間の研究数は、それ以前の30年間分を凌駕している。(2)研究対象の多様化:近年、化粧研究の対象となる疾患や外傷は急速に多様化し、18領域に及んでいる。(3)各研究分野の視点変化と接近:化粧の心理学研究はwell-beingとの関係から、医学・看護学研究はQOLとの関係からも論じられるようになった。ところで、化粧を臨床場面に導入する場合においては、化粧の効用とその限界を明らかにし、適切な介入時期や対象者を選択することが必要である。この観点から従来の研究を概観すると、以下の問題点を指摘することができる。(1)方法論的には、観察法に則っていない事例観察が多い。また、実験研究の大半も事前事後デザインであり、コントロール群を設けた研究は極めて少ない。(2)化粧の効果の限界について言及した研究は極めて少ない。(3)臨床的に問題を有する人に対する化粧の効果は、健常者を対象とした化粧心理のモデルで説明可能であるのか、あるいは他のモデルを想定すべきかが、検討されていない。
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