帯広の森内につくられた記念の森における針葉樹の生育と林床植生
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概要
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第二回および第三回帯広の森植樹祭(1976年,77年)において植えられた,トドマツ・エゾマツ林分の樹木とその林床植生を調査した。林分は1991年に帯状に間伐され,残された林帯も,一部を除き抜き切りされた。間伐帯は3〜4.5m,残された林帯幅は8〜11mあった。制作した林木配置図によっても,現地での視認でも,立木が列状に生育していることが容易にわかり,間伐後も列状植栽の影響が残っていた。植栽木の生長は一部の成績不良地区を除き順調で,樹高8〜11m,胸高直径10〜14cmに達していた。樹高の経年生長は0.4〜0.75mであった。胸高直径の頻度分布は一山型を示した。林床には8種の木本実生と29種の草本がみられた。植栽木であるエゾマツ・トドマツの実生は見られず,草本では,4種のみが林床性の草本であった。成績不良地区では,牧草が優占していた。本林分は,植栽が列状で間伐が帯状であったため,経済目的の人工造林地と同じ生育状態にある。今後は,自然林の形状に近づける育林技術の適用が必要であることを提案した。
- 帯広畜産大学の論文
- 1996-06-26
著者
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