母親の適応過程に関する研究 : 産褥1.5ヶ月時における初産婦の心理的変化と影響要因に焦点を当てて
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概要
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産褥1.5ヶ月時の初産婦における,母親としての適応過程での心理的変化と母親としての成長・発達状況,及びその影響要因について明らかにすることを目的に,Y県内で出産された初産婦33名を対象に,自由記載による質問紙調査を実施した。その結果,総記述件数は162件あり,以下のことが明らかになった。1.退院から1.5ヶ月時までの母親の心理的変化は,「退院後間もない時期の母親の心理」28件(17.3%),「産褥1.5ヶ月時の母親の心理」70件(43.2%)であり,退院後間もない時期は「育児負担感」や「育児困難感」などの「否定的感情」が約6割と多かったが,1.5ヶ月時では「否定的感情」は約4割に減少し,「子育て肯定感」や「子どもへの愛着形成」などの「肯定的感情」が増加していた。2.母親としての成長・発達に関する内容は,「子どもの特徴の把握」16件(9.9%),「子育てや社会問題に対する関心」11件(6.8%),「親役割の獲得」9件(5.6%),「母親としての成長・発達過程」8件(4.9%)であった。3.退院後の母親の心理的変化や成長・発達への影響要因は,「夫および家族によるソーシャルサポートの提供」16件(80.0%),「家事と育児方法の工夫」3件(15.0%),「母親モデルの獲得」1件(5.0%)であった。