インドネシアでの乳用牛の繁殖率向上の試み
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概要
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(目的)この研究の目的は,発展途上国の熱帯地域における乳用牛の繁殖効率を改善するための方法を提言することである。(方法)乳用牛の繁殖試験は,インドネシアのジャワ島東部で,定期的な生殖器の直腸検査とボディコンデションスコアー(BCS)を調べ,4治療法が実施された。(結果)経産牛は,空胎期間が6.5±3.5ヶ月,未経産牛の受胎月齢は25.8±9.8(means±SD)であった。妊娠牛はBCSが2.0以上で,非妊娠牛は82.7%が低栄養状態(<2.0)あるいは異常な発情を示した。低栄養状態の非妊娠牛に1日当り2kgの濃厚飼料を追加給与すれば,93。3%で発情が誘起され,73.3%が受胎した。BCSが2.0以上の非妊娠牛では,イソジン子宮内注入法,2回のPGF2α投与,排卵同期化処置(OVSYNCH)を行った場合,対照群(35%)より有意な受胎率(各59.4,71.4,64.2%)が得られた。(結論)発展途上国の熱帯での酪農牛の繁殖効率の改善法に,低栄養状態牛へのBCSの改善と,BCS2.0以上の非妊娠牛へのイソジン子宮内注入法が効果的であることが示された。
- 2006-12-01
著者
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田中 穂積
自治医科大学実験医学センター
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サンジャヤ エリザベス
プジョン酪農組合
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サダルタフィ ツチィ
ジャブン農業組合
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ロヤニ イダ
ジャブン農業組合
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ヘルウィヤンティ エニック
国立シンゴサリ人工授精センター
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パルリンヅンガン オロワン
国立シンゴサリ人工授精センター