集団社会的スキル訓練が児童および学級集団に及ぼす効果の検討 : 多層ベースライン法の利用、および集団変容が個人に及ぼす影響と学級集団規範の形成に着目して
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概要
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本研究は、従来の集団SST研究の課題を克服すべく、2つの研究を行った。研究Iでは、環境(学級集団)の個人への働きかけ(社会的スキルの遂行)の変化を測定する評定尺度作成を試み、2因子8項目からなる「被社会的スキル尺度」が作成された。研究IIでは、この尺度を用い、(1)集団SSTが、児童の周囲の社会的スキルを向上させることにより、児童の学級適応感を改善させること、(2)集団SSTが学級集団規範の形成へ及ぼす影響について検討した。その結果、児童本人の社会的スキルに改善が見られない場合でも、その周りの児童のスキルが改善され、児童への向社会的スキルが増加し、攻撃行動が低減すれば、児童本人の学級適応感が改善されることが示された。また、「友だちからされて嫌なこと」および「友だちからされて嬉しいこと」の共有化が確認され、集団SSTが学級集団に及ぼす効果としての学級集団規範の形成が示唆された。なお、本研究においては、集団SSTの効果は、従来の統制群法によらず、統計的検定を用いた多層ベースライン法により検討された。
- 横浜国立大学の論文
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