妊娠期から産褥期までの女性の心理・社会的状態とソーシャルサポート
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、妊娠期から産褥期までの女性の心理・社会的状態の変化を把握し、ソーシャルサポートとの関連を検討することである。妊娠期・産褥期女性の心理・社会的状態は丸山の心配尺度(MCQ)、ソーシャルサポートは喜多が作成した質問紙を用いて調査した。妊娠中期、出産後入院中、退院後1〜2週の3回の調査に協力を得た35名(追跡率58.3%)のうち有効回答32名と、妊娠中期の有効回答54名を分析し、以下の結果が得られた。1)初産婦は、MCQ下位尺度「家事・育児の心配」で出産後入院中と退院後1〜2週の得点が妊娠中期よりも高い傾向があった。経産婦は、「情緒不安定」で妊娠中期の得点が出産後入院中よりも、「心理的緊張」で妊娠中期の得点が退院後1〜2週よりも高かった。2)MCQ合計得点が退院後1〜2週で高得点群5名のうち2名は、妊娠中期・出産後入院中ともに高得点群であった。妊娠中期・出産後入院中に低得点群・中間群の人は、出産後入院中・退院後1〜2週に高得点群へ移行する割合は少なかった。3)ソーシャルサポート支持的支援者の少人数群は多人数群よりも、経産婦で妊娠中期にMCQ合計得点、「家事・育児の心配」「心身疲労」の得点が高かった。ソーシャルサポート非支持的支援者の多人数群は少人数群よりも、経産婦で妊娠中期に「心身疲労」「心理的緊張」の得点が高かった。4)MCQ合計得点には、妊娠中期は計画的な妊娠でない場合、ソーシャルサポート非支持的支援者が多い場合、出産後入院中は計画的な妊娠でない場合、退院後1〜2週は退院後の混合栄養の場合が関連した。