終末期がん患者における希死念慮とSpiritual pain
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、終末期がん患者の希死念慮とspiritual painの関連を総括し、今後求められる研究の指針を提示することを目的として、希死念慮の関連要因としてspiritual painの記述がある論文を系統的にレビューした。系統的手法に準じて選択された88編のうち5編とハンドサーチにより得た11編の計16編の論文が適格条件に該当した。分析対象論文より、希死念慮と関連のあるspiritual painが33種類抽出され、類似性をもとに類型化し、Murataのspiritual painの概念に従い分類された。その結果、自律存在である人間のspiritual painが希死念慮と最も強く関連していることが示された。先行研究の多くが欧米からの報告であるため、今後、我が国の緩和ケア臨床において実証的に希死念慮とspiritual painの関連を明らかにする研究の必要性が示唆された。