デンマークの「在宅死を可能とするための家族等への補償支援に関する法」について
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概要
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厚生省は、高齢者の医療と福祉に関して在宅の方向への転換をはかっている。これを受けて、在宅ターミナルケアの在り方についての論議が盛んになり、介護休暇、介護保険などが話題にのぼっている。他方、スカンジナヴィア諸国では、終末期医療患者の家庭での家族等による介護に対してどのような支援がなされるべきかが模索され実施されてきた。デンマークでは、1990年4月に生活支援法第57条改正案として、「在宅死を可能とするための補償支援」が国会に上提可決され、同年7月から発効した。本稿は、今後わが国におけるこの領域での支援をどのように進めるかの資料の一つとなるよう、上記「補償支援」が作られた背景と、規定された内容の解説、そして法文の訳を提示する。