超音波画像を用いた動作前Silent Periodの検討(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、超音波画像を用いて動作前Silent Period (Pre-movement Silent Period, PMSP)出現時の筋動態を明らかにすることである。被験者は身体に障害のない男性7人であった。被験者には、直立姿勢から50°膝関節を屈曲した姿勢を保持し、数秒の姿勢保持後に任意で反動を用いず素早く跳躍するよう指示した。試技間には十分な休息をとり、PMSPが10回出現するまで行った。PMSP出現時の外側広筋の筋腹部の超音波画像を連続的に101Hzで記録し、PMSPの開始から跳躍動作が始まるまでの期間について、外側広筋の筋束と腱膜の交点が筋伸張方向へ移動する距離を測定した。表面双極導出法により、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋から筋電図波形を導出した。PMSP出現時の全ての試技で、外側広筋は筋伸張方向へ移動していた。全被験者の交点移動距離は3.5mmまでの範囲であった。交点の移動開始は、PMSP出現から50msまでの間に確認され、PMSP開始後約20〜30msの間での移動開始が最も多かった。PMSP持続時間と交点移動距離には有意な正の相関関係が認められた(r=0.629, p<0.001)。以上のことから、PMSPが出現すると跳躍動作の主動筋である外側広筋では、筋束と腱膜の交点が筋の伸張方向へ移動することが確認された。
著者
関連論文
- 超音波画像を用いた動作前Silent Periodの検討(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
- 13-19-T001-08 脊髄損傷者の損傷レベルの違いが体肢の血管拡張能力へ及ぼす影響(13.アダプテッド・スポーツ科学,一般研究発表抄録)