運動習慣が若年期女性の骨密度に及ぼす影響(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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【目的】本研究の目的は、運動習慣の有無が若年期女性の骨密度に与える影響を初経後の年数(以下婦人年齢)の観点から明らかにすることとした。【方法】対象者は、12歳から22歳までの健康な女性165名であった。そのうち、中学生以降継続して週3回以上、一日1〜2時間以上、運動を行なっている女性92名を運動群とし、中学生以降、定期的に運動を行なっていない女性73名を非運動群とした。対象者全体の婦人年齢は、婦人年齢0年から婦人年齢10年までの範囲内であった。婦人年齢からみた骨密度における運動群と非運動群の比較では、婦人年齢6年で対象者が少なく統計処理が行えなかったため、婦人年齢0〜2年から婦人年齢6〜10年の6群で比較をおこなった。骨密度の測定は、二重エネルギー吸収測定法(DXA法)を用いて計測を行なった。骨密度の測定部位は、頭部、両上肢、脊椎、両下肢を分析の対象とした。アンケート調査は、過去・現在の運動習慣、初経発来年齢、月経異常について行なった。【結果】婦人年齢からみた骨密度の推移では、運動群の骨密度は、頭部、両上肢、脊椎、両下肢で有意に増加する傾向を示した。非運動群の骨密度は、頭部、脊椎、両下肢では有意に増加する傾向が認められたが、両上肢では有意な増加傾向は認められなかった。婦人年齢からみた骨密度における運動群と非運動群の比較では、両下肢骨密度では、婦人年齢3年以降、運動群が非運動群よりも有意に高値を示した。両上肢骨密度、脊椎骨密度では、婦人年齢6〜10年で運動群が非運動群よりも有意に高値を示した。頭部骨密度では、全ての婦人年齢で有意差は認められなかった。【考察】体重による負荷と運動による力学的ストレスは、初経発来以降、より早い時期から両下肢骨密度に影響を与えることが示唆された。【結論】体重による負荷と運動による力学的ストレスがかかる両下肢では、初経発来以降、より早い時期から高い骨密度を獲得する可能性が示唆された。
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