大学女子フィールドホッケー選手を用いた異なるピリオダイゼーションモデルの実践比較研究(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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筋力トレーニングでは, 効率のよい筋力の獲得を目的として「ピリオダイゼーション」と呼ばれるトレーニング戦略が用いられている.本研究の目的は, これまでに提唱されてきたピリオダイゼーションのモデル別のトレーニング効果についての特徴を比較, 調査することである.被験者は大学女子フィールドホッケー選手18名であった.これを, 線状モデル群(LP群)6名 : 波状モデル群(UP群)5名 : オリジナルモデル群(OP群)7名に分け, 途中, 4週間のトレーニング休止期間を含む24週間のトレーニングを行わせた.トレーニング効果の評価として, 体組成測定とスクワットとベンチプレスによる最大筋力の測定, 及び垂直跳びによる筋パワーの測定を, 実験前, トレーニング休止期間前, トレーニング休止期間後, 実験後の計4回行った.さらに, トレーニング期間中の心身の状態の変化を調査するために, 「Visual analog scale」を用いた主観性測定を行った.その結果, 体組成測定では全ての測定時点において群間で差はなかったが, LP群でのみ除脂肪体重が有意に増加していた.最大筋力測定では, 全ての群でトレーニング期間を通して最大筋力が向上したが, 群間に差はみられなかった.一方, 筋パワーの測定では, LP群はトレーニング期間の後期で垂直跳びの能力が向上しているのに対し, UP群ではトレーニング期間の初期から向上していることを示した.トレーニング期間中の主観性を調査した結果からは, UP群は他の群と比べ, 身体の不快感を評価する項目と, 筋力トレーニングに対する意欲を評価する項目で好ましい主観的感覚を持つ特徴がみられた.以上のことから, ピリオダイゼーションのモデルの違いによる身体の発達の様子には最大筋力と体組成に群間で差はないが, 筋パワーの発達にはモデル別で違いがあることが示された.また, 波状型のピリオダイゼーションは筋力トレーニングにとって好ましい主観的感覚を生む可能性が示唆された.
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