呼吸が運動動作に及ぼす影響に関する実験的研究 : フリースローを課題として(平成18年度大学院スポーツ科学研究科修士論文要旨)
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概要
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本研究は、バスケットボールのフリースロー動作時の呼吸の体得や理解がパフォーマンス向上に有効な手段として活用しえるかを探るための基礎的研究として、競技歴に差のある被験者を用いて、呼吸と動作の関連性について、特に動作のタイミングから検討することを目的とした。被験者は、男性20名(熟練者10名、未熟練者10名)であった。課題は、バスケットボールにおけるフリースローを用い、その動作時の呼吸を測定した。呼吸の測定にはサーミスターを用いた。課題を行なうにあたって、自己ペースでシュートを行うSELF-PACE条件と音刺激に反応してシュートを行うCONSTRAINT条件の二つを設定し、熟練・未熟練の二群間およびSELF-PACE・CONSTRAINTの二条件間で比較検討した。熟練群の呼吸は、SELF-PACE条件とCONSTRAINT条件とを比較した際、呼吸の位相自体に変化はみられないもののCONSTRAINT条件で波形の振幅が小さくなり呼吸が浅くなる傾向を示した。一方、未熟練群は、両条件でほぼ同様の波形を示した。未熟練群では、熟練群でみられたような条件間での波形の振幅に違いはみられなかった。シュート成功率に関しては、条件間に有意な差はみられなかったものの、両群ともCONSTRAINT条件で成功率の向上を示した。以上の結果より、シュート成功率に影響を与えたタイミングの違いは、熟練群では呼吸と関連した要因であり、未熟練群では呼吸以外の要因であると考えられ、熟練群におけるCONSTRAINT条件でのシュート成功率の向上には、浅い呼吸が関係していると推察された。
著者
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