カラー統計模型によるハドロン化過程の解析
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概要
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高エネルギー粒子衝突実験におけるハドロンの多重発生に関し,そのハドロン化過程について考察する。ハドロン化に関する模型は今までに数多く提唱されており,細かいパラメーター調整を行うことにより,ほぼ完壁に実験を再現することができる。しかし,その根本の機構の解明は,なおざりにされているように思われる。我々は,ひとつの試みとして,カラーを陽に考える模型を作った。ハドロン化の途中の段階ではcolor nonsinglet状態の存在を許し,その存在の確率を,カラーの違いによる差はないと仮定して統計的に決める。我々の模型でe^+e-^消滅反応を解析した結果,実験の傾向を再現することがわかった。また,バリオン生成について軽く触れるが,そこでは,従来の模型と違い,diquarkの対生成を考えなくても,ほぼ実験を再現できることを示す。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1989-07-20