川端文学におけるジェンダー構成I : その基礎的考察、<他者>としての<女性>
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概要
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<日本近代文学>においては、男性作家が男性論理に基づいて、自らの理想的女性像を描き続けてきた。女性読者は無意識のうちに自分の位置を、男性の側にズラすことによって男性作家の与えた女性像を受け入れてきたのである。しかし、ジェンダー論の登場により、いままで巧妙に隠蔽されてきた多くの事柄が明らかになってきた。川端文学を特徴づける、<女性による救済>というテーマも、男性論理から発せられるものである。また川端の物語空間は現実世界と隔絶した「鏡」の中の世界であり、それが物語に描かれた女を<夢の女性>たらしめているのである。
- 桜花学園大学の論文
- 2002-03-31