学生による授業評価の分析方法 : 数量化II類による分析
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概要
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本稿の目的は,学生による授業評価の分析方法について,数量化II類モデルを適用し,学生の授業理解度と満足度に関する数量的・構造的な把握を試みながら,その方法的な有効性と問題点について考察するものである。数量化II類は,予測・推定に用いられる多変量解析法の1つで,外的な基準がカテゴリーの形をとっている場合に利用される。授業評価の分析に用いる際のメリットとしては,度数が0の回答ができてもかまわないこと,多くの独立変数やカテゴリーを同時に使用可能なこと,影響の大きさと向きを表す係数も計算されるため,解釈が比較的に容易にできることなどがあげられる。反対に,デメリットとしては,授業の評価を構成する変数は,すべて完全に独立しているわけではないため,独立変数間に相関が高いとき,適切なモデルが得にくいこと,また,従属変数が他の変数に与える影響,すなわち交互作用については把握できないことがあげられる。授業評価の分析に数量化II類を適用する場合は,授業の特質(講義内容,形式,大学カリキュラム上の位置づけなど)に応じた適切な質問項目づくりが必要となり,さらに,多面的な分析ができるように,他の手法もあわせて用いることが望ましいと指摘できる。
- 桜花学園大学の論文
- 2002-03-31
著者
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