外からみた日本語 : P・ローエルの場合
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概要
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この小論は、明治維新期来日したローエル天文台、火星文明論で著名なP・ローエル(Percival Lowell)1885〜1916の日本文化論『極東の魂』THE SOUL OF THE FAR EAST<公論社>を取り上げ、その日本語研究の実際を比較文化的手法をもって明らかにしたものである。P・ローエルは、日本語を彼の母語英語と対比し、1.話し言葉の在り方2.人称代名詞3敬語4.性表現5.単複表現6.文の構造の順に、日本語の特徴を指摘していく。その実質は、現在の学問研究からするといかがかと思われるところもあるが、おおむね的を射たものである。この小論の業績の一つは、P・ローエルの提案を手掛かりにして把握できた日本語の「主客一体化の表現」を導入することによって、明治維新以降今日まで百三十年、完全な解決に至らなかった日本語動詞の「自他の対応」の理解に決着が付いたことである。
- 桜花学園大学の論文
- 1999-03-31