超音波造影剤を用いた乳癌組織型,乳管内伸展の検討

概要

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(目的)乳癌組織型,乳管内進展に関して超音波造影剤(以下レボビスト)併用ドプラ法を行い検討したので報告する。(対象)2001年7-12月に手術を施行した原発性乳癌19症例でTis1例,T15例,T210例,T3以上3例。組織型は硬癌7例,乳頭腺管癌10例,その他2例。(方法)腫瘤内血流の出現最適条件下でレボビストを1,500mg/5ml静注し5分間の観察を行った。(結果)血流パターンは(1)plunging sign58%,(2)surrounding sign21%,(3)血流が観察されない症例16%。レボピスト使用で(1)(2)は79%に血流の増加を、また53%に強度の増加を認めたが,(3)では殆ど変化は認められなかった。乳頭腺管癌では70%に強度の血流増加を認めたが,硬癌では29%であった。硬癌成分が増加すると造影効果は低下を示し,硬癌成分High,Very low間では有意差を認めた(p<0.01)。乳管内伸展に血流増加を認めたのは1例のみであった。(結語)通常USで減衰型でない腫瘤像でも,レボビストで血流の増加を認めない症例では硬癌成分の合併は考慮すべきである。レボビスト併用で術前乳癌組織型推定率が上昇しうる可能性が示されたが,乳癌の乳管内伸展の診断には寄与しなかった。
自治医科大学の論文
2004-12-01