術後化学療法を受ける乳がん患者のQOLおよび不安・抑うつの推移とパンフレットの影響
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概要
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入院中に初回化学療法を受け,2回目以降を外来で化学療法を受ける乳がん患者のQOLおよび不安・抑うつの推移と,副作用とその対処方法等を記載したパンフレットによる情報提供がQOLおよび不安・抑うつに及ぼす影響を調べるためにアンケート調査を実施した.対象者は,化学療法について口頭で指導を受けた12名とパンフレットで指導を受けた9名の合計21名であった.測定尺度には,the Quality of Life Questionnaire for Cancer Patients Treated with Anticancer Drugs (QOL-ACD) とthe Hospital Anxiety and Depression (HADS)を使用し,初回化学療法施行前,初回化学療法後の退院前,2回目化学療法施行直後,3回目化学療法施行直後の4時点で測定した.その結果,QOL-ACD得点において「活動性」が時間経過とともに高くなっていた.「身体状況」および「精神・心理状態」は初回化学療法後で一旦低下し,その後上昇した.「社会性」は,時間経過では変化がなかった.HADSにおいて不安は化学療法前はborderlineの範囲内にあったが,時問経過とともに低くなりnormal範囲となった.また,抑うつはnormal範囲内であり,時間経過とともに変化がなかった.QOL-ACDとHADSにおいて群と時間の有意な交互作用は示されなかった.従って,今回の研究では,患者のQOLおよび不安・抑うつの軽減に対してパンフレットによる情報提供の影響は明らかではなかった.
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