4年制看護大学3年次編入生が感じる問題
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概要
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看護系大学の編入学は学部の途中から入学するため,既修得単位の換算方法などが個々の学生に応じて行われる.その実施内容は大学によって差があり,様々な方法がとられ,編入生のカリキュラム構成や事務手続きなども各大学で異なる.看護学科編入経験者である筆者の一人は,履修したい科目が履修できない等の問題を強く感じていた.そこで,本研究では,編入生が感じる問題をあきらかにすることによって,編入生の就学への支援を検討する基礎的データとして提供する.了解が得られたB大学看護学科1〜4期生の編入生を対象にインタビューを実施し,その内容を逐語化し分析した.その結果,6つのカテゴリー,すなわち,1)事務関係のサポート不足,2)編入生にかかる実習ユニフォームの経済的負担,3)カリキュラム編成への不満,4)講義内容,選択のしかたに関する困難さ,5)実習時期や指導に関する問題,6)編入生は大学に短大3年と大学2年の計5年間在籍 : 1年間のロスタイム,を抽出した.なお,それぞれのカテゴリーには複数のサブカテゴリー,計19項目で構成された.今回の研究で,編入生のガイダンスやオリエンテーションの重要性,学習意欲の低下の懸念,学習ニードの多様化等があきらかになり,柔軟性のある編入学制度が必要であることが示唆された.