音響測深機送受波器の装備に関する研究(日本航海学会第40回講演会)
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概要
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音響測深機は航海計器として多くの船舶に装備されているが,これが往々にして航走時に雑音が多かつたり,或は海底の反響音がとぎれ,とぎれになつたりして測深の目的をはたし得ないことがある。これは主として航走時〓付近で発生した気泡が船底に巻き込まれ,これが船底乱流境界層中に拡散し,音響測深機の送受波器に対して雑音を与えたり,音波の透過を妨害したりするためである。そしてこの現象の強弱は船形,船の姿勢(吃水とトリム),船速及び海況等による。東京大学海洋研究所の海洋研究船"白鳳丸"に装備した深海用精密音響測深機(PDR)においても平穏なときは10,000m以上の測深能力をもつておるにもかかわらず,荒天時に高速で航走すると測深不能を起こした。この妨害をさけるためには音響測深機の送受波器がこの気泡の影響を受けないように装備するよりほかにはない。然るにこの気泡の分布状態は極めて複雑で南るために,送受波器の最良の取付位置,或はその適切な突出量を単純な算式を以つて計算する方法はまだ確立されていない。そこで今度前記"白鳳丸"に装備のPDRの性能を海洋研究所からの要望もあり改善するにあたり現船について船底気泡層に対する調査をし,更に調査の結果に基いて性能改善工事を実施したので,それ等について報告する。
- 社団法人日本航海学会の論文
- 1969-07-30
著者
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