臨界溶液におけるnonlinear shear viscosity
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概要
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この論文では臨界溶液のshear viscosityの非線型効果について述べる。一般に速度勾配が小さくない時、shear viscosityは速度勾配dに依つて居り、この事から流体力学の方程式には余分の非線型項がつく。ここではこのeffective shear viscosity η(d)をdのベキに展開した時の非線型項を線型項(通常のshear viscosity)についてKawasaki及びZwanzigが用いた方法を拡張して調べた。対称性からη(d)=η_0+η_1d^2+η_2d^4+…と展開すると、臨界点近くでη_1はκ^<-9>の様に増大する。ここでκ^<-1>は膿度のゆらぎの相関がOrnstein-Zernikeの型になるとしたときの相関のrangeをあらわすパラメーター。これはη_0がκ^<-1>のように増大するのにくらべて大変大さく、臨界点のごく近くでは非線型効果を考えることが本質的であることを示す。この結果はBotch-Fixmanのものと、数係数の僅かなちがいを除いて一致する。次にη_2を同じように計算するとこれはκ=⃥0においてもη_2に含もれる波数kについての積分がkの小さい所でk^<-3>のように発散する。同様な発散は系を2次元にしてもあらわれ、このときは既にη_1かlogkのように発散する。同様にして2次元の線型bulk viscosityもlogkで発散する。これらの発散が本物であるかghostであるかは現在の所不明であるが、もし本物であればこれは例えばη(d)がd=0の近傍でnon-analyticになることも考えられる。
- 物性研究刊行会の論文
- 1967-03-20
著者
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