舵軸の構造と舵頸摺動部の摩損防止(日本航海学会第24回講演会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
船体に舵を装着するため上下に垂直に通ずる船尾材に、幾つかのガジョンを設け、これに同数のピントルを配して舵片の運動を容易にするのが長年に亘る方法であつた。所が、近年舵形の変化に従つて中間のガジョンを設けず、上部、舵頭部に一個と下方、底部に一個設ける型式に改められたのが多く、更に、建造費の低減を計るために、上部のものを廃して、舵頸部の軸承と底部のガジョンのみにて、舵面に受ける全圧力を支える型式が用いられる様になつた。尤も、この型式は中型以下の船では古くから広く用いられておつたが、大型、強大馬力の船では舵頸部の軸承が摩損に耐えられず、比較的短期間に繰返し修補、修復を余儀され、それに要する直接と間接の費用は建造時に節約したガジョンとピントル一組の費用を超過すると称せられ、高速大型船にありてはこの型式は無理だと考えられる様になつた。而し、すでにこの型式で建造された船にありては今更改造も出来ず、何か保全上有効な処置はないかと論議されるとき、本学会第十一回講演会に略説発表した固型潤滑材を、舵頸摺動部のブツシュに取り入れた所、一年余の激しい航海に耐えて次の様な効果を示したので発表することにした。
- 公益社団法人日本航海学会の論文
- 1961-02-25
公益社団法人日本航海学会 | 論文
- 「MARSIM & ICSM 90」報告 : 操船シミュレータと船舶操縦に関する国際会議
- 高速航行中の避航操船の安全性
- 第6回海上交通業務国際シンポジュウムに出席して
- 神戸商船大学夜間操船シミュレータについて(海上交通計画)
- 海上交通計画のあり方(海上交通計画,海上交通計画)