臨床心理学と宗教 : 個人史的・学際的回顧と展望
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概要
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これまで、私は長い年月にわたって、宗教とくに、旧約聖書を中心とするユダヤ・キリスト教的伝統と仏教を中心とする東洋の諸宗教の関係について関心を抱いてきた。たまたま、今年四月から山梨英和大学に大学院人間文化研究科臨床心理学専攻が発足し、「人間性と宗教持論」という講義を来年度に開講することを約束した。そのための準備として、臨床心理学の世界で最大の影響力を持つと考えられるユング派とロジャーズ派の二つの学派の精神史的背景を検討し、この二、三〇年にわたって、キリスト教の学界でも積極的に論じられている「宗教多元論」や「メタ宗教学」などの研究を背景としながら、「臨心理学と宗教」の関係を論ずることにしたのが、本論文の主要な内容である。