ラジオイムノアッセイ法による抗原特異的抑制T細胞因子の免疫学的検索

概要

論文の詳細を見る
抗体産生系を負の方向へ統御する抗原特異的抑制T細胞因子(抑制因子)は,機能的には強い抑制活性を示すが生体内には非常に微量にしか存在しないためこれまで機能的測定法以外の直接的測定は不可能だった。この抑制因子を免疫化学的に検出する目的で抑制因子の構成成分に対するモノクロナル抗体を用いたラジオイムノアッセイ法を開発した。この方法はプラスチックプレートにモノクロナル抗体を結合させた後,抑制因子を反応させる。プレートに結合した抑制因子を検出するために,アイソトープで標識した特異性の異なるモノクロナル抗体を反応させ放射活性を測定した。その結果,1)この方法は免疫学的,遺伝学的にも特異的に抑制因子を測定していることが証明された。2)抑制因子の濃度と測定された放射活性の間には直線的比例関係が成立し,抑制因子の半定量的測定が可能であった。3)マウス胸腺細胞内の抑制因子の量は抗原刺激の回数を増すとともに,1次2次応答と漸次増加傾向を示し,量的には抑制系の成熟を示唆した。4)抑制因子産生細胞の臓器分布を検索したところ胸腺に多く存在し,脾臓,リンパ節および骨髄では僅かだった。以上モノクロナル抗体を用いてごく微量の抑制因子を半定量する方法を開発した。これはT細胞機能分子の同定,定量化を免疫化学的に可能にしたことになり,免疫応答機構の解析の重要な手段となると考えられる。

ラジオイムノアッセイ法による抗原特異的抑制T細胞因子の免疫学的検索

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク