三叉神経の電気刺激による体性感覚誘発電位 : 正常波形の解析および疾患例からの臨床応用の検討
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概要
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従来より技術的に困難とされ,一般には記録されることの少なかった三叉神経の電気刺激によるSEPに対し,放射状に配置した電極と,極性の反転する刺激を用いることにより,その記録を可能とした。得られた波形は,各三分枝のいずれも類似した形を示し,N_<12>,P_<19>,N_<29>,P_<41>の4つの頂点が認められた。各頂点の潜時は第2枝の刺激によるものが最も短い傾向が認められたが,統計的に有意の差は見られなかった。臨床例については,視床の障害では,障害側の頭皮上より導出したSEPは消失した。三叉神経自体の損傷でもSEPの消失が見られた。後頭蓋窩腫瘍の例では,三叉神経SEPは,臨床所見と良い一致を示した。三叉神経痛の例では,早期成分に頂点潜時の延長が見られ,又,70msec附近に大きな陰性の頂点の出現が3例中2例に見られた。以上の結果より,三叉神経SEPは三叉神経や脳幹部の機能を客観的に評価することの出来る有用な検査法と思われる。
著者
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