糖質コルチコイドのタンパク質,アミノ酸代謝に与える影響
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概要
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糖質コルチコイドのタンパク質,アミノ酸代謝に与える影響について,正常マウスおよびニワトリ胚骨格筋培養細胞を用いて検討を行った。プレドニソロン(0.36mg)をマウス腹腔内に投与すると,1)肝臓可溶性タンパク質濃度が投与後1時間から4時間にわたり,10〜15%減少する。2)肝臓湿重量当りのDNA量もタンパク質量とほぼ同様に減少する。3)肝臓の酸可溶性ニンヒドリン陽性物質が単位DNA当り,1時間から4時間にかけて13〜35%増量する。プレドニソロンをマウスの皮下に投与すると,1)血漿中酸可溶性ニンヒドリン陽性物質が,1時間から4時間にかけて28%増量する。2)血漿中に増量したニンヒドリン陽性物質の大部分は,アミノ酸とタウリンであった。3)血漿中ニンヒドリン陽性物質の増量は,アクチノマイシンDの前処置で阻害されないが,肝臓チロシンアミノトランスフェラーゼの誘導は完全に阻止された。また,^<14>C-ロイシンでラベルしたニワトリ胚骨格筋培養細胞(7日目)に10^<-6>Mのハイドロコーチゾンを加えると,4時間後に細胞酸可溶性分画の放射能が対照に比べ,25%増量しているのがみられた。以上の結果より,糖質コルチコイドは,肝臓および肝外組織において,早期にタンパク質,アミノ酸代謝に影響を与え,その作用機構がステロイドホルモンによる遺伝子活性化による機作とは別の機序で行なわれている可能性を示唆する。
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