結腸癌および直腸癌のX線学的所見と組織学的深達度との関係
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概要
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千葉大学第2外科において昭和40年1月より昭和50年12月までの間に切除され,術前のX線像と組織学的深達度とを検索し得た結腸癌70症例,直腸癌49症例の計119症例について,先ず癌腫の占居部位,壁在性,X線学的長径,肉眼的形態と組織学的深達度との関係を検討した結果,これらの要素のみからは組織学的深達度を的確に把握することは困難であった。そこでさらにX線学的所見を詳細に検討して新たに結腸癌および直腸癌の深達度よりみたX線型として,早期型(組織学的深達度がm,smに相当),表層型(組織学的深達度がpm,ssまたはa_0に相当),中間型(組織学的深達度がs_1,s_2またはa_1,a_2に相当),および深達型(組織学的深達度がs_3またはa_3に相当),の4型を分類し,どの程度,組織学的深達度と一致するかを検討した結果,結腸癌では70例中58例(82.9%)が,直腸癌では49例中42例(85.7%)が組織学的深達度と一致した。従って術前に本X線型分類を行なうことによって結腸癌および直腸癌の組織学的深達度を高率に推定することが可能であり,臨床上非常に有意義なことである。
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