早期胃癌の病理組織学的研究 : とくに組織学的立場よりみた悪性度について
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概要
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早期胃癌の悪性度と関連のある因子を癌腫側から考察してみると,病理組織学的には組織型深達度,浸潤度(INF)およびリンパ節転移等が考えられる。これらの因子につき,検索し,つぎの結果を得た。1.深達度と浸潤度の関係は,粘膜内癌(m)から粘膜下層癌(sm)になるにつれて,INFβ,INFγ例の頻度が増す傾向がある。2.リンパ節転移を深達度と浸潤度からみると,粘膜内癌から粘膜下層癌,またはINFαからINFβになるにつれて,リンパ節の転移率は増加する。3.早期胃癌の予後をみると,5年生存率は,97.7%である。a.深達度mの5年生存率は,95.2%で,smの5年生存率は,92.3%である。b.浸潤度INFαの5年生存率は,100%,INFβ90.4%,INFγ0%であった。c.再発例は,120例申4例で,3.3%の再発率であり,3年以内に死亡し,INFβ例,INFγ例であった。以上の所見から早期胃癌の予後を左右する因子としての浸潤度(INF)の重要性が明らかにされた。
- 千葉大学の論文
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